yadm の紹介記事を、本日発売のSoftware Design 2023年7月号に書きました。昨年12月から続けている連載「開発環境 探究の道」の最終回として、dotfilesの管理をより便利にするための方法を説明しています。
yadmについて / 記事の紹介
yadmは、シェルスクリプトで実装されたdotfiles管理ツールです。可搬性に優れ、dotfiles管理に必要な多数の機能と、gitに準じたコマンド操作体系をもっています。 私も普段からyadmを使っており、容易に導入できて、とても気に入っている1ものであり、ぜひみなさんに知っていただきたいと思って記事にしました。
記事の中では、yadmの概要と使い始める方法以外に、管理対象のファイルをより柔軟にする、sparse-checkoutとの組み合わせの例も紹介しています。 dotfiles管理にこれから入門する人も、dotfiles管理を普段から別の方法でしている人も、ぜひこれを読んでyadmを試していただけると幸いです。
連載について
7ヶ月間にわたる連載2も、今月が最終回です。初めての技術雑誌の連載を無事終えられたのは、たくさんの方々に支えていただいたおかげでした。全ての記事を毎月レビューしてくださったpyamaさんと、編集を担当してくださった西原さんをはじめとするSoftware Design編集部の方々には大変お世話になりました。また、連載開始時に相談にのってくださったkenchanくんさん3にもお世話になりました。
そして、読者の感想の投稿や、Web上での言及をしてくださった方、記事を読んでくださった皆様がいるからこそ、続けることができました。本当にありがとうございました。
連載は、開発環境を中心に、以下の内容を扱いました。 開発環境という言葉はひろく、人によって指す範囲が異なるため、連載では「LinuxやUNIXにおける、ソフトウェア開発をはじめとするテキストベースのファイル編集やターミナルでのコマンド実行の環境」を指すこととしています。
回 | 号 | タイトル | 内容 |
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第1回 | 2023年1月号 | dotfilesを管理して、再現可能な開発環境を作る | Gitとシンボリックリンクを用いたdotfilesの管理構成、設定ファイルの分割と分岐 |
第2回 | 2023年2月号 | シェルをカスタマイズする | シェルの文法、bashとzshの設定ファイルのカスタマイズ(エイリアス、シェル関数、プロンプト、フィルターコマンドの活用) |
第3回 | 2023年3月号 | ターミナルをカスタマイズする | ターミナルエミュレータAlacritty、ターミナルマルチプレクサtmux |
第4回 | 2023年4月号 | 環境構築を自動化する | 設定の自動化とパッケージのインストールの自動化を行うシェルスクリプトの実装 |
第5回 | 2023年5月号 | テキストエディタをカスタマイズする | VSCodeとVimの、基本操作と設定変更 |
第6回 | 2023年6月号 | 拡張機能やプラグインを使う | VSCodeとVim、zsh, tmuxの拡張機能やプラグイン、Language Serverによる開発支援 |
第7回 | 2023年7月号 | dotfilesの管理を発展させる | dotfiles管理ツールのyadmと、その活用方法 |
初回にdotfilesの説明をし、その上で、周辺のトピックへ広がるよう、進んでいきます。一方で、各号はそれぞれ独立しており、どれかの号だけでも読めるように書いています。気になるものがあれば、ぜひお読みください。(記事を読んだよ!という声を聞くと、さらに嬉しいです。)
開発環境の探究はひろく深く、今回は扱わなかったツールや、私の知らないツールやHowToもたくさんあることと思います。ぜひみなさんがよいツールや方法を見つけたりつくったときは、ブログ、登壇やLT、記事、Twitter、他の人との会話、どんな手段でもそれを広げて共有いただけると嬉しいです。私はそのような話が大好きですし、きっと好きな方がたくさんいる話題です。
おわりに
Software Design 2023年7月号は、私の記事以外にも、第一特集のgRPCで始めるWeb API開発や、第二特集のSvelteの話など、たくさんの技術情報が詰まっています。全国の書店もしくはWebで、ぜひお買い求めください。
Footnotes
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シンボリックリンクを使った管理の抱える問題を解消できる点などが魅力的で使い始めました。連載の中でも今回の内容が一番書きたかったもので、yadmの良さが伝われば幸いです。 ↩
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準備なども含めると、企画が始動してから10ヶ月くらい経っています ↩
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今回の連載に繋がった、2022年6月号の特集記事のレビューでもお世話になりました。また、yadmはそのレビューの時にくんさんから教えていただいて使い始めたもので、今回の記事につながっています。 ↩