8月に読んだ本のメモが下書きのまま眠っていたので投稿しておく。また当方は会計の専門家ではないので、この感想にツッコミどころがあったらこっそり教えてください。

はじめに

企業における会計のことを少しはわかっていなくてはと思い、友人に薦められた財務3表一体理解法という本を読んだ。

学生時代も入社してからも会計のことを学んでおらず、PL (Profit and Loss Statement / 損益計算書) やBS (Balance Sheet / 貸借対照表)、CF (Cash Flow Statement / キャッシュフロー計算書) というのを名前は知っていても実態は正直わかっていないという状態だったが、本を通して全体感を知ることができた。

知りたいことがまさに書かれていて、一冊目に読む本がこれでよかった。(正確性をとるとおそらく大胆に削っているところがあると本の中で但し書きされているが) PLとは?BSとは?というレベルの会計素人が、まず最初に雰囲気を知るにはとてもよいと思うので、同じ境遇の人がいたらぜひお勧めしたい。

印象に残ったこと

前提

冒頭に前提として、すべての会社に共通する3つの活動は「お金を集める」「投資する」「利益をあげる」の3つからなるということがかかれている

これらを数字で表現するのが財務3表であるとして、財務3表の概略的な説明が冒頭になされている。

財務3表の関係

93ページには、3表がどう関連してどう動くかが示されている。その後、本の中頃では、表題の通り財務3表を一体に理解できるよう、かんたんな仕分けをいくつか、常に財務3表にどう反映され、それらがどう繋がっているのかを示しながら説明が続く。各例をもとにそれぞれの関係を常に意識させながら説明が続くので、全体感を把握しやすい。

会計を専門にする気が今のところない物としては、全体としてそれらがどういう役割で、ざっくりどういう意味を持っているのかということを知りたく、それが説明されていてとても良かった。

その流れというのは、ざっくりと次のようなものだ。

  • PLによって資産の出入りが表現され、その積み重ねによってBSの利益剰余金が積み上がる
  • 前年度のBSをもとに今年度のPLをあて、CFをあてたら翌年のBSになる

そのほか印象に残ったこと(メモ)

  • 前提として、PLとBSの数字は必ずしも現金の動きを表すものではない
  • BSのBalanceというのは「残高」という語から来ていると筆者は考えている
  • りし ... 借り方と貸し方という表現は、現代におけるそれぞれの言葉の意味に紐づくというよりも、慣習的にそうなっているという側面が強い

身近な会計

本の中で直接触れられているわけではないが、この本を通して内製ソフトウェア開発をしている事業会社における、ソフトウェア資産計上と原価の違いを知ることができた。1

おわりに

PLといわれても学園と言わないように、BSと言われても衛星放送と思わないように、CFといわれてもコンパクトフラッシュと聞き返さないように、この本を起点に会計に関する理解を少しずつ深めていきたい。

ちなみにこの本はシリーズになっていて、分析編や発展編というのもある。とても良い本だったので早速発展編を買ったのだが、買ってから中を開くと今知るべき内容かは判断がつかなかったので、積んでおいて技術書のあいまに気が向いたら読むことにする。

Footnotes

  1. 友人にこの話を聞いた時に、最初にソフトウェア資産計上の目的 (会計の原理原則として、投資家等にその会社の状況(ここでいえばソフトウェア資産)を正しく伝えるためにある) を教えてくれたことで、より理解が深まった