会社の先輩に教えていただいた「アプリケーションをつくる英語」を読んだ。

この本はアプリケーション開発においてUIに表示される言葉を中心に、それらを英語でどう表現すればよいかのヒントが書かれている本である。 三部構成で前半の二部は辞書的に単語や表現が紹介され、最後の一部が読み物になっている。

前半の辞書的な部分は、プログラムを書く中で命名に迷ったり、エラーメッセージを書いたりするときに役立ちそうだった。 紹介されている単語や言い回しは比較的厳選されている。 自分の表したいニュアンスの言葉が確実にあるわけではないと思うが、ソフトウェアやUIに関係する言い回しに絞って書かれている。 迷ったときには和英辞書と合わせて、本書のPDF版を検索して参照したい。


後半の読み物のなかでは、35.3.2節 キャピタリゼーション (どの文字を大文字にするか) が特に気になった。

恥ずかしながら本書を読んで明確なルールを初めて知ったのだが、文頭を大文字にするセンテンススタイル (通常の文に用いられる) の他に、より大文字にする単語数が多いタイトルスタイル/ヘッドラインスタイルと呼ばれるスタイルがある。 名前の通り本のタイトルなどに使われるスタイルで、以下のようなルールがある。

  • 名詞、形容詞、副詞、代名詞はキャピタリゼーションする
  • 文の最初と最後の単語はキャピタリゼーションする
  • 冠詞 (a、an、the) と接続詞 (and、butなど) はキャピタリゼーションしない。ただし文の最初と最後の場合はする
  • 4文字以内の前置詞 (at、by、for、inなど) はキャピタリゼーションしない。ただし文の最初と最後の最後の場合はする
(アプリケーションをつくる英語 西野竜太郎著 p262)

たとえばPCのGUIアプリケーションであればウィンドウのタイトルやメニューバーなどにタイトルスタイルが用いられている場合もあるだろう。 例えばREADMEの章ごとのタイトルなどにも用いられるかもしれない。

UIなどにおいては完全な文を書くというシチュエーションと同じかそれ以上に単語や連文節で物事を表す機会があるだろうから、どういった規則で表せれば良いかのルールを学べたのはありがたい。


後半の読み物の部分はそれほど分量がなくすぐに読めて、前半の辞書的な部分は長く使える、ひと粒で二度美味しい本だった。 コンピュータと戯れている限り英語とは離れられないので、もっと仲良くなっていかねばならない。