会社の研修でストレングス・ファインダーを受けたので、結果を過去の経験と照らし合わせて考えてみます。 読書メモみたいなものです。
ストレングス・ファインダーとは
1998年に心理学者のドナルド・O・クリフトンが開発したオンライン心理テスト。 「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4領域に分類される34の資質のうちどれを自分が持っているのかを判断してくれる。 それぞれの資質を知ることで自分の能力をどのように開発していけばよいかの参考になるらしい。 書籍「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」に付属するアクセスコードから受けることができる。 なお以降に挙げる引用の出典はすべてこの書籍である。
結果
私の持つ資質の上位5つは高いものから順に、分析思考、学習心、収集心、ポジティブ、個別化 らしい。前半3つが「戦略的思考力」に、後半2つが「人間関係構築力」に分類されるもののようだ。 これらの資質をひとつずつみていく。
分析思考
分析思考とは、データを好み物事の理由と原因を追求することを好むことを指す。
〈分析思考〉の資質を持つあなたは、他の人に「それを証明しなさい。貴方の主張がなぜ正しいのか示しなさい」と強く要求します。このような詰問を受けると、自分のすばらしい理論がもろくも崩れ落ちるのを感じる人もいます。(p186)
書籍に書かれた上記の文を読んで、他人と議論しているときにまさに自分がよく考える話だと感じた。 つい先日の研修でのグループワークでも、自分が建設的な意見を出せているわけではないのに、他人の意見の実現可能性が気になってしまっていろいろ質問したくなってしまった。 悪い方向に走ると意見を潰すような振る舞いになってしまうが、今ある情報からどう判断できるかということをしっかり伝えていくのは必要なことだと思うので、人の意見を良い方向にブラッシュアップできるような発言ができたらよいね。
あわせて「内容に対しての見解を言うこと」と「人格攻撃をすること」は別であるという点には注意しておきたい。 本書のアドバイスの中で「あまりキツイことは言い過ぎないように」とあって、わかるし気をつけたいよな〜、改めて心に刻もう、と思った。
学習欲
学習欲のある人とは、知識を得る状態になることや知識を得た状態だと認識することに満足感を覚える人のことらしい。
私はコンピュータを触る・学ぶことの面白さに「ブラックボックスを紐解くことが楽しい」ことを挙げることがある。 コンパイラや認証などを再実装してみたり、大学で既存のソフトウェアに関する講義に興味をもったりしたのは、掘り下げてどう動いているのがわかると楽しいからという理由が強い。
もっと遡れば小学生の頃、掃除機やラジオなどの古い電化製品を分解していたのを思い出す。 自覚はしていないが、新しい知識を獲得して学習するプロセスに実は満足感をもっているのかもしれない。
学習欲の高い人に向けて本書では次のようなアドバイスが挙げられている。
変化を起こす人になりましょう。他の人達は新しい規則や技術を導入したり、環境を整備したりすることに尻込みするかもしれません。(p53)
技術や規則が常に変化する分野にキャリアを変更しましょう。これに対応しようと挑戦し続けることであなたはいきいきとします。(p53)
ソフトウェアエンジニアを職業に選んだのは正解だったようだ。 常に環境が変化する状況で新しいものをキャッチアップし続けることが特に必要な業種だと思うので、変化を受け入れてそれについていける、さらにはそういった流れを作れるような人材になれると良いですね。
収集心
(ここでいう) 収集心とは、物理的な物の収集欲に限らず、情報を収集することを好む人も含んでいるらしい。 たしかにWikipediaは永遠に見れるタイプだし、旅行に行く前には調べるタイプだし、社会のものがどう動いているか仕組みを知りたいみたいな気持ちは強いかもしれない。 本も電子派だけど紙を捨てるときはスキャンするし、Google フォームの内容や一時的な目的のために配られた資料も保管しておきたくなったりする。
情報を保管し、簡単に探し出すことができる仕組みを考案しましょう。(p121)
本書には上のようなアドバイスが書かれていて、これは自分が課題に感じていることの1つだ。 メモをとったり思考を整理したり、それらの情報にアクセスするためのツールが定まっていない。 数年前は Google Keep を使っていたが、いつ記録した情報かが残りづらく使うのを止めた。
今だとたぶんScrapboxとかNotionとかになるのだろうけど、どちらも全然使いこなせていない。 こういったアプリケーションは移り変わりが早いのでロックインされたくなくてMarkdown最強説を唱えるときもあったものの、メモを集めたgitリポジトリも整理されてアクセスしやすい状況とはいえないな。 どうにかせねばなあ。
ポジティブ
ポジティブが上位に入っているのは嬉しい。
昔 (これまた小学生くらいの頃) は自分をネガティヴだと自覚していて、自分のことを説明するときはネガティヴだと言っていた。 しかしネガティヴな自分が嫌で、無駄に自分や他人を落ち込ませるような気がして、いつからか言霊でもいいからなるべく言葉では無理矢理でもいいからポジティブになるような発言を心がけていた。
いつしかそうやって言霊だと思っていた考えが自分の中のポジティブな思考として定着して、物事を悲観的に考えずに済むようになった。 今回のテストで上位に上がってきたことをもって「自分がポジティブな思考を持った」と言えるようになったと思う。 自分の性格は自分で変えられることを示たので嬉しい。
日頃から楽しい話や冗談などを準備しておきましょう。(p201)
誰も傷つけないで笑いをとりたい。面白い話ができる人になりたいね。
個別化
個別化の資質を持つ人は、一人ひとりのユニークな個性に興味をそそられそれを理解することに長けているらしい。 これは正直よくわからないけど、自分のわがままを持っているから他人のわがままも受け入れあえたら幸せだよなと思っている。
チームの各メンバーが最も得意とすることを見極めましょう。(p89)
上のようなアドバイスが示されているが、そうやって得意なことを生かしたチームがつくれたら最強だよな。 あまり共感と理解ができてないのでこの項はさっくり終わる。
まとめ
自分の資質は4領域のうち「人間関係構築力」「戦略的思考力」に偏っていて、「実行力」「影響力」は強みではないらしい。 実際のところ実行力も影響力もないのはなんとなく同意してしまうな。 しかしながら働いていく上ではこれらもある程度必要だと思うので、どうカバーできるか考えていきたい。
そもそもこういった心理テストは「答えを見たときに自分の中で当てはまりそうな行動や理由を見つけて納得したような気になる」ことがよくあるように思う。 さらにストレングス・ファインダーの結果は時間が経てば変わることもあるらしく「絶対的な自分の能力」ではなく「今の自分にとっての強みとなりうる要素」を表すものらしい。
今回の結果が実際のところどれほど適切な指摘をしているのかはわからないが、今後の仕事での振る舞いや方向性を決めていくための自分を振り返る機会になった。 今回の内容を過信しすぎず、しかしながら自分の行動を律するときの一つの指標として適切な距離感で捉えておきたい。